水都大阪の教科書・水都大阪かるた
まちを知れば まちをもっと好きになる
船に乗ってまちを眺めるクルーズは楽しいけれど、「なぜ大阪が“水の都”なのか?」と聞かれると、はっきりと答えるのはむずかしいかもしれません。戦災によって歴史的な建物の多くを失ってしまった大阪のまちは、歩いていても時代の痕跡がわかりづらく、埋もれた歴史や文化のカケラを見つけるのにコツが必要です。だからこそ、まちの背景を知ると、人に話してみたくなる。話しているうちに、もっと大阪が好きになる。そんな思いから、大阪のまちの歴史を「水都」という視点から、辿っていく「水都大阪の教科書」をつくることになりました。
水の都・大阪の成り立ちと今が全てわかる教科書
大阪は、都心部をロの字に川が流れる世界でもめずらしい水の都です。市域の約10%が水面で占められています。古代から「なにわ八十島(やそしま)」と呼ばれ、江戸時代には「浪速八百八橋」と呼ばれて繁栄しました。第二次世界大戦から戦後にかけて、水の都としての風景は失われますが、21世紀に入ってまちづくりの活動が活発になります。そんな水都大阪の歴史の流れを伝えるために、教科書は「古代〜中世」「近世」「近代」「戦後〜高度経済成長期」「水都再生期」の5章で構成されています。埋め立てられた堀川の跡や橋の名前を記載した地図と、約2000年分の年表も付録になっていて、水都大阪の情報を体系的に理解することができます。
デザイン:sato design.
子どもたちの好奇心の入り口になるかるた
水都大阪の教科書は高校生以上を対象とした内容ですが、こどもたちにも水都大阪に親しんでもらえるように、「水都大阪かるた」も制作しました。
実際に「行ってみたい」と思ってもらいたいと考え、 歴史だけでなく、今の大阪の風景も織り交ぜて札を構成しています。 四季や時間帯、取り上げる川のバランスも考慮して、楽しみながら水都大阪全体を知ってもらうことができるようにしました。知ったことを誰かに話したくなる、もっと知りたくなる。そんな気持ちを育むためのツールです。
デザイン:sato design.
イラスト:日比野尚子
